雑記:叙述トリックのパターン
叙述トリックについて
大学時代は物語ばかり追いかけていて、伏線とかどんでん返しとか大好きだった。今回は叙述トリックのパターンを覚えている限り書いてみようと思う。わりとネタバレ注意なので気をつけて読んでいただきたい。
時系列がずれる
推理小説に1番多い手法がこれだと勝手に思ってる。第一発見された証拠品と第二発見された証拠品の実際事件に使われた時系列が逆…とか。この解決時に名探偵の口から語られる体験を実体験を持って並走させたのは一時期話題になった『イニシエーション・ラブ』だろう。ベタベタのラブストーリーに隠されたダークな展開。一時期好きだったなあ。何度も読み返すタイプの小説ではないけどエンターテイメントとしては秀逸。映像化されるとは思わなかったので観てみようかな。
過去に戻るというパターンもある。所謂タイミングトラベルもの。話題になったアニメだとまどマギとかシュタゲは秀逸だなあと思う。映画だと『12モンキーズ』という主人公だけ救われない物語も好き。(『バタフライ・エフェクト』ってそんな言うほどいい映画かなあ、、、)
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固定観念を利用する
人間は知らず知らず固定観念を抱いてしまう生き物だ。記号化された言語にイメージを紐付けて定着させている。社会心理学でステレオタイプというこの概念も、よく用いられる。名探偵は若く活力のある男で、妹と言われたら人間だ。何を言っているかわからない方は以下の二冊を手にとってほしい。知らず知らずに常識という固定観念があなたに根付いていること気づくことができる。個人的にこのパターンが好きかなあ。騙されたーって感じするよね。
人称を変える
事象は一人称「わたし」が捉えるものだ。第三者である彼がどう捉えたかはわからないし、あなたが今何を考えているかもわたしにはわからない。あなたが何を考えているか引き出すのが会話でありコミュニケーションというやつなのだろう。そのようなインタラクティブな行為が日常の会話ではとり行われるが、創作では登場人物をそれぞれ一人称として吐露させることができる。ここに目をつけた作品も存在する。吐露させた内容が全部嘘なんてこともある。
生き返る(死んでなかった)
私は勝手にこれをケチャップと呼んでいる。銃で撃たれたフリしてチがケチャップ。実は生きていたっていうベタベタなあれだ。一度死んだふりをして生きていたってのもある。生きている人が元から死んでるってパターンも…。もう何が何だか分からない。『がっこうぐらし』とか最近だとそれだよね。ゆるゆるに見せてエグいことするっていうまどマギを髣髴とさせる展開だった。大学編に入ってからは読んでないなあ。
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精神を患っている
記憶を失っているから云々かんぬんというパターンもよくある。オチは大体「自分自身が犯人」だ。『メメント』は救われない物語。多重人格というパターンもよくある。金字塔といえば『サイコ』。当時は入場制限がかかった程衝撃度が高い作品であったそうな。後続の作品も多くあるが個人的には『ファイト・クラブ』は一度観ておくべき作品だと思う。昔ブラット・ピットにSMAPの香取くんが「太り始めたら『ファイト・クラブ』を観ます」とスマスマで言ってたけどそんなライトな作品ではないと思う。(無垢だった自分は騙されたと思った。)
ドッキリ大作戦
これは名前のままなのだがテッテレー!を当事者体験できるタイプの物語だ。これはこの一作しか観たこと無いのだが、『ゲーム』がそれに該当する。シリアス展開かとおもいきやクライマックスは超ハッピー。個人的にデビット・フィンチャーの作品がそもそも好きなのだが、あまり話題にあがらないこちらも時間があればみてほしい作品。(これも人称を変えるパターンなんだけど一対多数というところで分けてみた)
さいごに
もっとあると思うが、今回はここまで。共通として言えるのはジェットコースター乗るような感覚で観る娯楽であること。何かを得ようとしてはいけない。ワッと驚いて作品に思いを巡らせてほしい。ここで一部ネタバレ書いちゃってるけど…。そのうち好きな創作についても書こうと思う。
僕のちかくからは以上になります。