【雑記】昔とった杵柄としてのクリエイティブ
ミーハーなクリエイター気取り
最初に広告がやりたいと思ったのは完全にミーハーで邪な気持ちからだった。今でこそ会社員は崇高な仕事だと思えるが、大学時代の僕には広告代理店のクリエイターの方々が会う人会う人かっこよく見えて、自分もこうなるんだとどんどん陶酔していった。よくよく考えると彼らもほとんどが会社員なのだが、一線を画しているというかなんというか別物として見えていたわけだ。今思えば採用の戦略上クリエイターを全面に押し出していたということなのだが、ものの見事にハマっていた。
そんなこんなでアマチュアコピーライターとして大学時代後半は登竜門(http://compe.japandesign.ne.jp/)からお題を見つけては応募するというラジオのハガキ職人のような活動をしていた。(ぼっちで暇だったからね)宣伝会議社のコピーライター養成講座にも通って机に向かう日々が増えた。たまーに入選するようなことはあったが大賞とか大きな賞は取れず鳴かず飛ばずの売れないクリエイター気取りだったが、やっぱり形として物が残るってのは楽しい。
手前味噌ながら入賞したコンペを何個か紹介したい。
隼ジャパン
バスケットボール日本代表のニックネームを決めようという公募。該当者複数だったが、その中の1人に僕がいた。個人的には小学生からずっとお世話になったバスケにすこしでも恩返しができたいい機会だったかなと思っている。商品としてサイン入りのボールをゲット。強いて言うなら男子代表のサインがよかった。でも大神さんのサイン入ってるから今思うとこちらのほうが貴重かもしれない。いまや女子バスケのほうが世界へ羽ばたいてるしね。
C-1グランプリ
月1回雑誌『ブレーン』が公募しているコピーのグランプリ。これは「この夏、読みたい新書のタイトル募集」といった企画だったと思う。毎回著名なコピーライターに審査いただけるということで毎月応募していた。しかし何回かあったであろう機会に対してド下ネタで入賞するとはなんとも皮肉な話だが自分らしいなとも思う。
愛するあなたへの悪口コンテスト
これは入選だったのでWebに載ってないが、冊子が送られてきた記憶がある。
たしか入選作品は「テーブルに 材料だけを 置いてくな」。漫画『ホイッスル』の主人公と兄の一場面を思い返して書いたのだが、まあ妻への皮肉と取れなくもない。こういうニヒルな表現が自分は得意らしく、褒められることが多かったように思える。
旅のコピー
これはコンペではなく、宣伝会議の講座卒業の展示会で書いたコピー。旅のコピーという抽象的なテーマだったが、個人的には生涯で1番上手く書けた気がしている。好きなコピーライター2名から票が入ってて嬉しかった。講座受講生お馴染みの金の鉛筆なつかしいな…。
Web広告屋を経ていま思うこと
このように学生時代はクリエイティブ方面にまっしぐらだったのだが、就職したのはロジックでガチガチのWeb広告中心の代理店だった。わかる方にはわかると思うが、クリエイティブは軽視されている。数字ベースの短絡的な取捨選択だけが繰り返されているだけで以下の様な本質的な議論はなされていないように思える。
- STPにおけるポジショニングが明確に打ちだされていないのではないか
- タグラインとバイラインが整理できていないのではないか
- 必要条件の押し売りで、ユーザーからみて魅力条件がわからないのではないか
クリエイティブの議論がCTA(緑ボタンとかね)等手法論ベースのHow主体の議論に陥ってる気がしていて、そもそものwhatが戦略に基づいて決まっていないことが多い。優秀なクリエイターほどwhatを重視する。僕が講座で習っていたような優秀なクリエイターはほんの一握りしかいない。その底を上げる鍛冶場を作る必要があると思う今日この頃。皮肉ならお任せあれ。
僕のちかくからは以上になります。