【GoogleAnalytics】ユーザーエクスプローラーだけじゃちょっと物足りない
再びGoogle Analyticsについて
今回もGoogle Analytics(Universal Analytics)についての記事をあげていこうと思います。
前回はGoogle Data Studioという文脈でアクセス解析について自分なりの考えを記しましたが、今回は少しミクロな視点で書いてみようと思います。
Googleはどのプロダクトもアップデートが早く、適応していくのが大変です。
今回は2016年の春に実装された"ユーザーエクスプローラー"について考えていこうと思います。
個人的にこの機能の実装は待ってましたと言わんばかりだったのですが、結論から言うと、現状だとまだ物足りずより自由度高く同じデータを見るために設定の変更を推奨しています。
ユーザーエクスプローラーの活用
ユーザーエクスプローラーとは、という部分の解説はferretさんの記事がわかりやすかったでので参考として載せておきます。
要するに、サイト来訪したユーザーのブラウザ単位での動きを可視化していますよということです。
アクセス解析だけではなく分析の多くは、大局を理解するために行われます。
これをマクロ分析と言ったりします。
前回のGoogle Data Studioを用いた分析環境の構築はまさしくそうで、全体感を把握することには向いていますが、ユーザー1人1人まで目を向けることには適していません。
Webサイトは、成熟してくると計測している数値が頭打ちするタイミングを迎えます。
その時に、大局だけの分析結果を見ていると運営者としては「そんなのわかってるよ」と思うような示唆しか導けなくなることがあります。
その際に壁を破る次なる施策が必要になるのですが、その際に必要になってくるのがミクロな視点です。
このユーザーエクスプローラーは、ユーザー1人単位の動きが見えるものなのでミクロの観点で分析を進めるにあたって、有用なデータを取得することができます。
アクセス解析におけるミクロ分析の進め方
アクセス解析でミクロな視点で分析をかける上で、僕は以下のフローで進めています。
- 想定とは異なるサイト利用の仕方をしているユーザーはいないか
- いる場合、その理由は何かを解明するためにサンプルとなるデータを抽出する
- このユーザーに対してどのような提示をすれば想定内の動きをしてもらえるかを考える
実際に見てみると面白いもので、ユーザーのサイト回遊の順番がわかって記事間の関連性があるのかということに気づけたり、以下のキャプチャのように得体の知れないサイトからの動きが明確化したります。
正体はスパムでした。
よく見るとGが小文字ですね。
計測値としてカウントしないように指示をかけましましょう。
このように、機械と分かれば処理は簡単ですが、マーケティングの対象は人間なので幾度となく施策を試行してくことが必要になります。
そこに答えはなく、プランを立て検証を進めていくしかありません。
ユーザーエクスプローラーの弱点
ユーザーエクスプローラーの弱点を挙げると、データ抽出の機能が弱いことが挙げられます。
・クライアントID個別でしか詳細なデータが確認できない
・データ抽出時にディメンションが掛け合わせられない(セカンダリディメンションが使えない)
・データ抽出についてGoogle Data Studio等他ツールとの連動性が低い
ざっと状況を把握する場合は、UIのみでデータを確認しますが、本格的に分析を進める際はどうしてもハンドリングしやすいデータの抽出が必要になります。
その面で現状の機能では不便を感じることが多いです。
ミクロ分析と言っても、一人ひとり追いかけるのは大変なので目立ったユーザーをマーキングできると便利ですよね。
そういった処理をかけるのにデータ抽出に可変性があるということは必須だと思います。
弱点克服への推奨設定
個人的にGoogle AnalyticsはGoogle Tag Managerで設定することが望ましいと考えています。
今回は以下のリンク先の設定を実施することでカスタムディメンションとしてクライアントIDを取得し、ユーザーエクスプローラーと同様の環境をGoogle Analyticsに実装していきます。
この方法を実施することで、通常のGoogle AnalyticsのUI上でできることはほぼ網羅できるようになります。
前述のセカンダリディメンションはもちろん、カスタムレポート、マイレポート、スプレッドシート、Google Data Studioへの連携が可能になり抽出面の不具合を改善することができます。
上図は、セカンダリディメンションでデフォルトチャネルグループをかけてみました。
ユーザーの性質を見極める上で重要な、ユーザー別に閲覧しているページタイトル等もも問題なく取得することが出来ます。
(さすがにユーザーの分布やインタレストカテゴリはカラムが増えてしまうので無理でした)
データ抽出面が改善すると分析の幅が広がります。
来訪ページ別のクラスター分析やアソシエーション分析をかけていくことで、異なる動きを縮約することもでき、フォーカスする施策も決めやすくなります。
この辺については今進めている内容があるため、いつか書いていきたいと思います。
まとめ
今回の内容をまとめると、
・ミクロ分析を行うにあたってにユーザーエクスプローラーのデータは有用
・データ抽出に脆弱性があるので、GTMと連動させた設定変更を推奨
といったところでしょうか。
Google Analyticsは、機能のアップデートによってどんどん利便性が上がっていますが、自分が必要な環境を必ずしも揃えてくれるとは限りません。
ちょっとした工夫で不具合を改善する心構えをマーケターも持って臨みたいものです。
僕のちかくからは以上になります。
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