アナリストよりアルケミストになりたい
データはデザイン
データとか分析ってデザインだよねってよく話します。
仕事柄分析の仕事に携わることは多いです。
ただ、正直分析自体にそこまで価値はないと思っています。
「分析」と「示唆」はワンセットで語られることが多いですが「示唆」の意味を辞書で見てみると、
それとなく知らせること。ほのめかすこと。
とあります。
つまり分析だけでは、ほのめかし程度でしかないのです。
「○○ちゃんあなたのこと好きらしいよ」
そんなもんにすぎないのです。
どちらかに行動してもらわないとそそのかしから始まるこの恋は成就しないのです。
行動なき分析はゴミ
示唆を行動に結びつける方法は大まかに2パターンで分岐します。
①示唆を行動に落とし込む(人)
②開発によって示唆を機能として組み込む(機械)
①はよくあるPDCAサイクルで回していくパターンで、その先に②があるってところでしょうか。
改善の先に定形化がありそこから自動化へ向かうというのが現代だと思います。
学習まで自動化へ向かう人工知能の話は今日は置いときましょうか。
つまり、どんなに精密な分析をしたところでそれが行動として機能しないと何にも意味がないのです。
それを機能させるために、分析者は分析結果をデザインする必要があると僕は思います。
ここで注意してほしいのは決してデータや分析結果を改ざんしろというわけではなく、人に最適な行動をとってもらうためのコミュニケーションをデザインするということです。
例えば、天気予報では地上気象・海上気象・高層気象・レーダー・気象衛星等のデータを解析し予測モデルから天気を導き出します。
その時の分析結果はどのようにデザインされて、人々に伝わっているでしょうか。
「今日関東地方は、傘が必要です」
誰でも分かる形で、行動を促す、これこそが分析におけるデザインです。
データの見せ方もひと目で分かるアイコンで図示されています。
数字の錬金術師
どんなに精密で難解な分析をしていても伝わらなければ意味がありません。
分析者の努力の過程を資料化して客先で話すなんて愚の骨頂です。
それは同業者同士が、お互いの仕事を称え合うときには必要かもしれません。
ただ、ビジネスの場は学会ではありません。
正しい分析から行動さえ促せれば、分析者は錬金術師になれるのです。
僕のちかくからは以上になります。
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