心の会計
心の会計(メンタルアカウンティング)という言葉があります。最近『ヘンテコノミクス』という本を読んで、行動経済学について事例を踏まえて漫画で学び直しているのですが、改めてこれは面白いなと思ったものを何回かに分けてブログの題材にしていこうと思います。行動経済学と言えばダン・アリエリー先生ですが、『予想通りに不合理』とか面白いけど結構分厚いんですよね。こちらの本はサクサクと学び直せるのでとてもいい感じです。
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/08/23
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (15件) を見る
今年の初詣、愚かな僕は「いい男になりたい」と願って顔面に怪我を負ってしまったわけですが、その手前で僕はお賽銭に使う5円玉がないことに気付きました。会社の同僚と一緒だったので僕は10円玉で5円玉をもらったのですが、同僚は5円玉が1枚しかもっていなく、その1枚を10円と引き換えにもらいました。
この時、僕は5円玉が2枚欲しかったわけではありません。そして10円玉1枚が惜しかったわけでもありません。もちろん同僚に後で5円もらいに行ったりもしていません。ただ、金銭的なやりとりを鑑みると僕は5円損する判断をしています。お賽銭という行動において僕は、10円玉より実質損をする5円玉1枚の方が価値が高いと優先順位をつけたということです。こういうのを心の会計というようで、実際の貨幣が持つ価値とは別で心理が作用し優先度を決めて価値をつけるという行動を指します。…今思うとこのやりとりでバチが当たったのかとも思うわけですが。
この考え方は、今の仮想通貨事情に置き換えてみると面白いかもしれません。あなたは1万円入った財布を落とすのと、1万円分の仮想通貨をハッキングされた時どっちが傷つくでしょうか。この場合の判断は、流れが早いあまり揺らぎがちな現代人の価値観の指標になるかもしれません。
僕のちかくからは以上になります。