ちかくにまなぶ

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27歳が考える読書感想文の書き方

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世間は夏休みみたいですね。夏休みの宿題は31日にやりきるタイプでしたが、とりわけ苦労したのが読書感想文です。計算ドリルとかってやれば終わると思うんです。読書感想文は自由度が高い分、うんうん唸って血反吐を吐きながら書いた記憶があります。

ただ、今ブログを書いてるとあの時の苦としていた量の読書感想文を平気な顔で書いている自分がいます。それはタイピング技術の進化も勿論ありますが、単純に自分の中にノウハウがあるということでしかないかなと思います。

一応学生時代も読書感想文や税の作文書けば学校代表くらいにはなれてましたが、その時も型にハメて書いていたにすぎません。むしろ大切なのは普段何を感じているかです。少し書いていきます。

 

読書感想文とは?

そもそも読書感想文ってなんですかね。どうやって書いてましたか?え?あとがき全部写した?そんな労力をかけられるならもっと楽に書けます。いつの時も人が苦痛なのは無思考の作業です。

本の感想なんてない?そうなんですよ。誰かが書いた本に感想なんてないんです。あるのは「そうだよね」か「それはどうかなあ」程度のもんです。じゃあ何を書けばいいのでしょうか。ここであえて宣言しましょう。読書感想文とは「生活体験作文」なのです。

 

読書感想文は自分の体験を伝えるだけ

先程も書きましたが、読書に対する感情を形容する言葉を書き連ねたところで文量はたかが知れています。

例えば、遠足に行った時の作文も「遠足に行きました。楽しかったです。」では味気ないし書き直しを促されますよね。もっと詳しく書きなさいと言われて「遠足」から「楽しかった」までの出来事を文章内に加えて及第点をもらうといったところでしょうか。これはあった出来事を詳細に文字に起こしていくだけなので時間と語彙力さえあれば簡単ですよね。

 

この遠足の作文と読書感想文の違いは、感想を書く対象の「本」の第一人称が自分ではなく筆者や物語の主人公になっていることではないでしょうか。遠足のように自分が体験したことではなく、筆者の体験や物語の主人公の体験についてどう思ったかが求められる。そりゃあ読んでみて「面白かった」とか「つまらなかった」程度しか出ないってもんじゃないでしょうか。自分の体験じゃないんですもん。

 

ただ、この「人称」に気づいてしまえばしめたもんです。裏を返せば自分を第一人称にした文章にルールを変えてしまえば書けるということに気づけるからです。

 

読書感想文のポイント

実際にどのように文を書いていくか簡単に図に起こしてみました。 

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この流れで書いていけば読書感想文、もとい、生活体験作文は基本的に完成します。

出来事に対する自分の立場を決めて、その論拠を自分の体験から示す。そしてそれを踏まえて今後自分がどうしていくか書く。それだけです。

大切なのは第一人称を「本」の誰かではなく「自分」にして書くこと。これが全てです。

 

たとえ桃太郎であっても読書感想文は書ける

桃太郎を例にして少し書いていきましょう。

「桃太郎がきびだんごを利用して犬雉猿を仲間にした(文中の出来事)」のことについて読書感想文であればまず、それに対する立場を示します。

桃太郎は各動物が「きびだんごがほしいから」と言ってそれを差し出し仲間に引き入れたが私はその行動にやや疑問を感じる。それはこれからの長旅に対して桃太郎が短期的なメリットを提示しているにすぎないからだ。(文中の出来事に対して反論の立場を示す)  

次に論拠となる自分の体験を書いていきます。

自分も転職や独立の誘いをいただくことがある。その際にもっと稼ぎなさいよと言ってくださる方がいるのは本当にありがたいかぎりだ。ただ、その時享受できるメリットが金銭だけだとしたら、判断を下すには早計だと思うのだ。何故かと言うとその「きびだんご」を得るまでの苦難と未来が不明瞭だからである。そこを説明できないようであれば、自分は例えいくらきびだんごを積まれても動かないだろう。桃太郎はしっかりと鬼退治へのリスクや将来性をを説明したのだろうか。鬼に殺されることをしっかりと踏まえた契約だったのだろうか。また、目的を達成した時の報酬は示されているのだろうか。この一種の合戦が終わった後も動物たちの能力は必要なのだろうか。(自分の体験を中心に展開する)

この人だいぶひねくれてますね。何か嫌なことでもあったのでしょうか。

この後今後の自分について書いて締めます。

桃太郎がきびだんごを利用したというのは正直いただけない。ただ、事実、桃太郎と動物たちはあの鬼を討伐しているのだ。これはこの物語の目的が達成されたことを意味する。これは桃太郎も動物達も並大抵の意志力ではなし得ないことだろう。

そう考えると、世の中で何か成すのは理屈じゃないのかもしれない。ここまで読んでもらえればわかると思うが、私はよく理屈屋だと言われる。そんな理屈屋の自分が決心を固める時の一つの基準がある。それは言葉の中のコトを成し遂げるための意志の強さを感じるかどうかだ。ひょっとすると犬雉猿も桃太郎の意志の強さに惹かれていたのかもしれない。きびだんごは二の次で桃太郎がこれから作る世界に希望を感じていた。だから危険を顧みずに飛び込んだ。自分は桃太郎をそんな物語だと思いたい。そうであれば納得できる。そして、自分もそんな桃太郎を見つけ、世界を共に変えたいと思う。(物語を受けた今後の自分)

かなり強引ですが、桃太郎の読書感想文はこんな感じでいかがでしょうか。ただこれは学校に提出しないほうがいいですね。小学生であれば、読書感想文を評価するのは学校の先生です。ベンチャー育ちの自分とは経験が違い、こんなこと書いたら鼻で笑われることでしょう。

これも文章を書く上で大事なポイントなのですが、「評価者が誰か」意識することを忘れないでください。お互いの身の丈にあったこと書きましょう。なんならちょっと寄り添ってやるくらいの気持ちで書くといいです。

これはちょっとしたテクニックですが、評価者は良い変化を求めるものです。いつの時代だって人を感動させるのは更生に向かう物語です。グッドウィル・ハンティングだってルーキーズだってその更生する姿に人々は感動を覚えるのです。

 

読書感想文は決して難しくない

ポイントをまとめると、

  • 文中の出来事の自分の立場を示す
  • その立場を示す理由となる自分の体験を書く
  • 読後の自分の変化を書く
  • 自分主体で書きつつも評価者に思いを巡らす

といったところでしょうか。

決して難しく考えず、普段の自分のことを人に伝えるんだという意識を持って書くことが大切です。夏休みの宿題と言われると嫌ですが、生活体験作文として普段の自分を本というフィルターを通して語る機会だと思うと少しやりがいを覚えられるかもしれませんね。

 

僕のちかくからは以上になります。

本を読む本 (講談社学術文庫)

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