【読書感想】プロフェッショナル・プレゼンテーション
プロフェッショナル・プレゼンテーション
データを使う仕事をしている手前、人にレポーティングする機会は多いです。事業会社であれば上長、広告代理店であればクライアントと報告する相手は変わりましたが、伝えるべき内容、つまり「メッセージング」する内容は殆どかわりません。その中で参考にしている本が今回紹介する『プロフェッショナル・プレゼンテーション』です。
プロフェッショナル・プレゼンテーション (アクション・ラーニング・シリーズ)
- 作者: 土井哲,高橋俊介
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: 単行本
- クリック: 17回
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タイトルの通り、プレゼンテーションそのものにフォーカスを当てた内容となりますが、個人的には物事を伝えること=プレゼンテーションだと思っているフシがあるため、今回は本著で説得的プレゼンテーションとして述べられている論証の作り方について書いていきたいと思います。
3つのメッセージ手法
本著では論証の作り方として以下の3つのメッセージを紹介しています。
-
事実メッセージ
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評価メッセージ
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政策メッセージ
それぞれについて例をあげて簡単に説明します。
事実メッセージ
事実メッセージとは、事実を伝えるための伝え方です。この例では「山田さんのテストの点数が平均点以上である」という事実を伝えるために、各教科の結果を論拠となるデータとして提示しています。このデータがあれば伝えたい事実は疑いようがありませんね。
評価メッセージ
評価メッセージとは、物事の評価をするための伝え方です。まず評価の定義を決めます。ここでは「山田さんが優秀である」ことを伝えるために優秀の定義を2つ定めています。この定義をクリアしていれば山田さんは優秀であると言えるということです。定義を先に定めることでデータの抽出も明確になりますね。
政策メッセージ
政策メッセージとは、提言を与えるための伝え方です。提言に対する必然性を述べ、その効用を伝えます。人を導くためにメリット(とデメリット)を伝えるというわけです。それに対して実現可能性がなければ意味がありません。それを述べることで政策メッセージは完成します。
ただ、あくまでここまでは論理力の構成です。提言するためにはそれに加えて説得力が必要になります。
[説得力]とは、[論理力] × [判断基準]であると本著では定義しています。つまり、評価対象となる人が何を重視しているか把握していることが重要になります。どんなに論理が完璧でも、求めていないものを与えていれば無意味ということですね。ビジネスの場で、ボタンの掛け違いが起きるパターンはこういう場合が多いです。
レポーティングすべき内容とは
本著を読んでからレポーティングに対する流れは以下の内容を意識しています。
現状⇒課題⇒対策という一般的な空・雨・傘のフレームを意識するのは当然のことですが、それを3つのメッセージ手法で解釈すると以下の形になります。
3つのメッセージングを用いながら、論理を構成することでレポーティングの納得度が高まります。その中でも特に、政策メッセージを厚めに構成することで次の展開を議論する時間が多く取れます。ビジネスは前に進めなければ意味がありません。レポーティングもそれを意識した形にすると良いと考えています。
おわりに
ここまでは自分の経験に基づいた解釈が多く含まれていますが、本著はプレゼンテーションを体系的に学び直すのに相応しい内容となっています。ビジネスのコミュニケーションにおいてプレゼンテーションは避けて通れない道です。本著でプレゼンテーションの手法を改めて学んでみるのはいかがでしょうか。
僕のちかくからは以上になります。
プロフェッショナル・プレゼンテーション (アクション・ラーニング・シリーズ)
- 作者: 土井哲,高橋俊介
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- 発売日: 2003/02/01
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