ちかくにまなぶ

近くから学んだことを書き残すブログです。

陽気な鰈が市場を回す

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泥にまみれろよ

個人事業主時代にコンサルの依頼を受けてこういうマーケター残念だなあと思ったことが何度かあります。

 

ずばり、自分で手を下すことを嫌がる人です。

 

「営業せず売上を上げる方法を教えてくれ」

極端に言うとこういうことを平気で言います。

 

コンサルに頼れば売上が上がると思っているのかもしれませんが、行動なきところにお金は生まれません。

コンサルは実施前に費用をペイする気概を問うて、Noならそのプロジェクトから引くべきです。

 

まずコンサルへの人件費削減したほうがよくないですか?

と思っていながら生活のためにすがってる個人って結構いる気がします。

 

渡りに船を創る

マーケティングは様々な定義がありますが、渡りに船を創ることだと最近思います。

川を渡りたい人に船の存在を適切に示せれば船を買う可能性は高まります。

 

そのためにどうするかを考え行動していくことがマーケターの仕事です。

営業はその中の手段の一つにすぎません。

ただ、「お客さんの顔見たことありますか?」と聞いてNoと答えるBtoBマーケター結構いるんじゃないでしょうか。

 

さて、あなたのお客さんは本当に川を渡りたいんでしょうか。

 

お前は鰈だ

試して試して失敗して失敗してその繰り返しの肌感覚こそマーケターとしての価値です。

「何となく分かる」は軽視してはいけなくて、単純な経験量の差です。

それをコンサルに頼り続けるのは、一見スマートかもしれませんが適切だとは言えません。

 

我ながらインターネット時代と逆向してるとおもいます。

ただ、いまこそ見直すべきは汗のかき方です。

従来誰でもできていたこととしていることが逆向している現在、それも差別化になり得るのです。

 

華麗にやろうなんて思うな、お前(マーケター)は鰈だ。

 

 

僕のちかくからは以上になります。

ドリルを売るには穴を売れ

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chikakuni.hatenablog.com

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金色(カネイロ)

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お金触ったら手洗いなさいね

少し前ですが上海に行ってきました。

 

そこで気づいたのは現金がほぼ使われていないということです。

では何が使われているかというと、スマホです。

 

Wechat Pay(微信支付)の普及が凄まじく、ほぼ全ての飲食店(屋台でさえも)に決済システムが導入されています。

食べ終わったらSuicaのごとくスマホでぴっとやって終わりというわけです。

何が起きているかというと、財布を持たなくていい世の中が形成されているのです。

jp.techcrunch.com

もはやお金に触らなくていいのです。

世の中のお母さんが子供に注意することも一つ減るってもんです。

 

 

中国すげえなあ。日本遅れてるなあ。

ということが言いたいわけではなく、個人的には日本は遅れてきて丁度いいくらいな気がしています。

 

いまIoTバイスに触れる機会が仕事柄多いのですが、どのデバイスもとても便利です。

ただ、正直なくても生活はまわるなと思ってしまっている自分がいます。

 

日本はベースとなるハードとしてテクノロジーが便利すぎるのです。

例えばスイッチ一つで電気がつき、鍵を回せばドアがあきます。

ここのソフトの部分をスマホ(もしくはその代替品)にシフトする流れは今後確実にくると思いますが、なくても生活が回るもの対して商品価格・導入工数の2つの障壁が高いように思えます。

 

世界を見ると、PCの普及が遅れていたインドではPCよりスマホの方が普及が進んでいます。

もちろんスマホの決済サービスの普及も日本より早いです。

少し例が異なりますが、Googleが出遅れていたアラビア文字の圏内ではタイピングが手間なので音声入力が進み、Facebookが地の利を持っています。

 

何が言いたいかというと、今まで「遅れていた」経済のほうがベースがない分、テクノロジーに最適化された経済を急速に形成しやすいのです。

日本は今まで通り、ナッシュ均衡のような形でゲームが進むのかなと思っています。どげんかせんといかんね。

 

ちなみに上海旅行でぼたっくりの被害に遭ったのですが、そこは現金でした。ちぇ。

 

僕のちかくからは以上になります。

現金の呪いーー紙幣をいつ廃止するか?

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投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)

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 chikakuni.hatenablog.com

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事例を求めるのとパターンランゲージを好むのは違う

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それ事例あります?

と聞いてくる人にマーケティングの仕事をしているとよく出会います。

 

言われた瞬間に「あ、この人だめだ」と察知します。

もちろんそれだけで評価をくだすことはありませんが、この経験値からくる直感は当たっていることが多いです。

 

 

事例なんて世の中に溢れてる

世の中に真新しいことなんてめったにありません。

残念ながら僕も世界初のピカピカのアイデアなんて思いつきはしません。

大体が過去のパターンの繰り返しなのです。

 

例えば、新しいお菓子を売るというミッションを持ったマーケターが広告会社からイベントの提案をもらったとします。

そのとき「それ事例あります?」という人はさすがいないと思います。

 

バレンタインデーがありますからね。

もし言ったらマーケターとして失格です。

 

バレンタインの「特定の日に○○を食べる」という隠れたパターンを利用して、恵方巻きはいつの間にか節分に食べるものになっていますよね。

 

恵方巻きを見た時に「あーバレンタインのパターンか」とピンときてるかどうか。

これがパターンを読み取れてる人ということになります。

この例は少々簡単すぎますがね。

 

空気に爪を立てろ

大学の時に教授が教えてくれた言葉です。

何も考えず日々を過ごしていると誰かが構成した「空気」の中をただただ過ごすことになります。

爪を立てることで、隠されたパターンが徐々に見えてくるようになります。

その鍛錬を欠かすことなくしているこそ人が空気を作れるようになるんだと思います。

事例は空気から読み取るものです。自戒をこめて。

 

僕の近くからは以上になります。

プロジェクト・デザイン・パターン 企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32

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失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

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chikakuni.hatenablog.com

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ちょっとした贅沢をする消費者Kさんの献身

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「この店で一番高いものをくれ」

と宣う勇気も財力は僕にないのですが、そんな気分の時はあります。

 

そんな時頼むのが「特製○○」です。

 

例えば特製ラーメン。

 

通常の「ラーメン」の具材に味玉やらチャーシューやらが増量してあってなんならちょっと調味油なんかもリッチになっちゃったりしてるそんな某を所望するときもあるわけです。

 

今日は『むぎとオリーブ』さんに立ち寄ってきました。

http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13164932/

東銀座はあまり立ち寄らないのですが、用事ついでに行った時には足を運ぶようにしています。

 

「この店で一番高いものをくれ」

 

今日はそんな気分でした。

18のアポイントで喋り倒してアドレナリンがでていたのでしょう。

 

「特製蛤そば」を注文しました。

 

余は空腹である。この店の「すぺしゃる」とやらを持ってき給へ。

 

そこに運ばれてきたすぺしゃるならーめんをみて殿は思ったのでした。

 

なんで特製分の具が別盛りやねん。

 

この店のナンバーワン求めてるのに特製分がおまけってなんやねん。

これはらーめんと別盛りの具じゃ。

やっぱり、さんまは目黒じゃ。

あーでも美味い。苦しうない。

 

ここでは通常のラーメンが最高の一品ということですかね。

値付けと期待値が一致しなかったという話でした。

商品価格と期待値は比例しますが、商品価格と商品価値は比例シマセーン。

 

次からは普通のラーメンを同じ気持ちで頼むようにします。

でも毎回ながら本当美味でした。

 

僕のちかくからは以上になります。

古典落語 (講談社学術文庫)

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騙れ青天井のブルース

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マーケターが使う僕の嫌いな言葉に「青天井」というのがあります。

天井が見えない、つまり底なしという意味です。

 用途はこうです。

 

○○案件は獲得できれば予算、青天井だから!」

 

僕は毎回思うんです。

 

「じゃあ商品全部買うからその分の予算ください。」

 

かると思いますが、これは無理です。

この場合であれば「顧客の利益を保証した範囲で予算がでる」という意味が含まれていて、利益が見込めない僕の提案は取り下げとなります。

 

ということは天井見えてるよね。

見込み顧客の総定数を算出すればいいし、SaaSでもない限り在庫に限りあるよね。

 

こういう言葉の使い方をする人とは基本的にいいお仕事ができると思えません。

これをコンサルの世界では要件が「オーダーになっていない」と言い、

そもそもの要件の整理をし言語化することまでもがコンサルティングの仕事になっている場合が多々あります。

 

「マーケティングプロジェクトの入り口」を4つに整理してみた。 | BLOG | ベストインクラスプロデューサーズ | デジタル時代のマーケティングプロデューサー集団

 

けどそれって自分の事業を考えればわかることじゃない?

要件を整理するのもマーケターの仕事じゃない?

もっと良いオーダーができれば適正に予算が使えるんじゃないの?

 

僕は青天井という言葉を使うマーケターが大っ嫌いです。

 

うそ。ある意味大好きです。

 

僕のちかくからは以上になります。

 

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

 

 

 

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【元フリーランスが教える】独立までに知っておきたかったお金・申請周りのあれこれ

はじめに

僕はもうフリーランスをたたんでいるので偉そうな事言える立場ではないのですが、最近独立される方が周りでも増えてきました。

独立を促すメディアは多くあれどいざ独立してみると情報量が意外にも少なく、欲しい情報になかなかたどり着けなかった記憶があります。

今回は独立当初に自分なりに工夫したことを備忘録として残しておきます。

 

開業届と青色申告申請書を出そう

出す時は緊張しますが案外あっけないです。

記載はこちらのリンクがわかりやすいです。

http://uguisu.skr.jp/tax/kaigyou.html

 

正直なところ郵送でも、提出に関しては問題ないです。

今年申告分の申請書は時間がもったいないので郵送で出しましたが、普通に判子押されて返ってきました。

(1月まで個人事業主としての収入あったため、確定申告用に一応だした)

 

保険と年金の申請をしよう

国民健康保険に入るのが基本ですが、自分の場合は前職の保険を任意継続しました。

これは会社員の時の福利厚生諸々(健康診断とかが安くなったりね)が個人事業主でも適応できるというものです。

条件は厳しいですが、料金としても国民健康保険よりは安くなる場合が多いので活用できるのであれば検討してもいいと思います。

国民年金はおとなしく地域の国民年金担当に申請しましょう。

 

ビジネス用の口座をあけよう

請求等の先々を見据えた上でも個人用とは分けといたほうがいいと思います。

年収と年商がわからなくなっている個人事業主よくみかけます。

正直自分もそうでした。

まあこの年収と年商の歪みを利用するのが個人事業主のメリットの全てな気はしますが、元の貯金等がある場合はややこしくなるのでわけておくほうがいいのではないでしょうか。

口座は一先ず開けばどこでも問題ないと思いますが、僕はジャパンネット銀行をあけました。

www.japannetbank.co.jp

試してないですが、独立初年度メガバンクは開けられないんじゃないですかね
開設時に事業紹介のためにウェブページや資料が求められますが、ウェブページつくらずパワポで大丈夫です。

開設までに結構時間かかった印象があるので独立が決まったらすぐに動きましょう。

開設後は会計ソフトとの連携も問題なく、普通に使う上では不便を感じなかったです。

あるとすれば、ATMがたまに使えないところがあるくらいでしょうか。

 

クレジットカードを作ろう

これ最重要事項とも言えます。

個人カードを使えばいいじゃないかという方もいると思いますが、

個人カードの殆どは規約上ビジネス決済に用いるのはNGとなっています。

正直バレないですが、これもビジネス用と個人用を併用しないほうが望ましいと言えるでしょう。

以下のカードは推奨です。

 

<個人事業主でも作りやすいカード>

-オリコ

-アメックス

-楽天

上記を普通に作ってももちろんいいのですが、アフィリエイトプログラムのセルフバックプログラムを利用するといいと思います。

ログイン - A8セルフバック

 

<できれば独立前に作っておくべきカード>

-オートチャージSuica(ビッカメ)

Suicaオートチャージのほうが便利です。
普通のViewカードでもいいのですがビッカメのカードのほうがお得です。

どうせ領収書も切れないので利用分を出金伝票でまとめて計上すれば交通費精算も楽だし建て替えに対するエビデンスにもなり得ます。

 

会計ソフトのアカウントを取ろう

これは一瞬でアカウントが作れるので銀行口座・クレジットカードが準備できたらアカウントを取りましょう。

確定申告の手間が本当になくなります。

UIは以下が評判がいいです。

会計ソフト freee (フリー) | 無料から使えるクラウド会計ソフト

僕はfreeeを活用していました。

家事按分も最後にできるので家賃等も自分の家賃を100%で入力しておいて大丈夫です。

領収書に関しても電子保有が認められてこちらでクラウド管理ができるようになりました。

経費の支払いは基本的にクレジットカードでしよう

個人事業主支払いは遅く、入金は早くが鉄則です。

交通費等カード支払いができない場合に備えて出金伝票を買っておくのも基本です。

 

支払いをカードにしておくメリットは支払いサイト以外にもう一つあります。

会計ソフトへに入力がほぼ自動化するのです。

つまり領収書を見直して再度入力する手間(結構面倒くさい)がなくなります。

もちろんそのための領収書は保持しておかなければいけませんが、自動入力されるだけでだいぶ心の余裕が違います。

キャッシュレスの波にのりましょう。

 

公共料金と税金の支払いもカードでしよう

公共料金もカードで払いましょう。

ちょっと申請をかけるだけで払い忘れるリスクがなくなりますからね。

また、2017年から税金の支払いもカードでできるようになりました。

僕は昨年の申告分はクレジットで払いました。

その分各カードのポイントがつくというわけです。

 

事業継続に前向きで一定の利益が見込めている場合

小規模企業共済に申し込んでもいいかもしれません。

納付分を経費扱いできて個人事業主の退職金として有名です。

http://www.smrj.go.jp/skyosai/index.html

僕はやりませんでしたが、これやればもう少し税金を圧縮出来た気がします。

確定拠出年金等も手段としてはあるのでここは調べましょう。

 

基本的な財務の勉強としてのオススメ本

経費の使い方を中心に勉強を進めましょう。

以下の一冊は網羅性が高いかつゆるく進めてくれるのでおすすめです。

http://amzn.to/2ndAa06

 

まとめ

創業初期は[収入]ー[支出]の[支出]を如何に小さくするかに焦点を当てて動きましょう。

情報は無限にありますが、基本的には動いてみればわかるものです。

そしてインターネットは冷たいですが、税務署の人は思いのほか優しいです。

臆せずやってみましょう。

 

僕のちかくからは以上になります。

マンガ 自営業の老後

マンガ 自営業の老後

 

 

 

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人工知能が騒がれてるいま、今後の競争戦略を自分なりに考えてみる

定石は知るべき

社会に出てから定石を知らないまま勘で進み続けている人を何人も見ました。

例えばマーケティングであれば、コトラーを読まないのはまだ許せるかもしれません。あれはエッセンシャル版でもなかなか骨が折れます。

ただ、マーケティングの歴史は長い。コトラーを読んだ人先人は何人もいるということになります。そのサマライズされた文書に触れることは容易いと思います。

自分の場合は以下のような入門書からマーケティングの歴史に足を踏み入れました。

決して本にこだわる必要はないですが、体系立てて学ぶという面で考えるとネットは効率が悪い気がします。

網羅性は高いものの、物事のつながりを捉えにくい。それが講じて、一定領域のみに精通している人が増えているように思えます。

コンサルの業界ではよく耳にする話ですが、物事を見るには「鳥の目」・「虫の目」・「魚の目」の三種類が必要です。

matome.naver.jp

神は細部に宿ると言いますが虫の世界だけを見てると、視野が狭くなってしまうのは想像に難くないことです。

ほとんどの業界は定石をなぞることができる人が少ないからこそ、少数の勤勉な人達がなんとか秩序を保っている状態だと思っています。正直者が得はしないけど徳を得ている、そんなところじゃないでしょうか。

ただ例えば、みんながみんな定石をなぞる世界がきたらどうなるでしょうか。正直誰もがなぞれる世界がきてもそれをなぞらない人が多数になると自分は思っていますが、考え方によっては、その時代は近づいてきているなと最近思います。

 

「ヒト」・「データ」・「キカイ」

Yahoo!JAPANAI戦略を語る中で「ヒト」・「データ」・「キカイ」という言葉を使っていました。人工知能を語るのに自分の知識量はまだまだ不足していると思うので、詳細は以下の記事を読んでいただくのがいいと思います。

college.nikkei.co.jp

ざっくりいうと、ここで書いてあることはヒトとキカイの共存、いわゆるマルチラリティでヒトが働いていくための行動規範です。

最近良く聞く機械が仕事を奪うという言葉の聞こえは恐ろしいですが、ひとまずつかんでおくべきことは「機械がルールをプリインストールする」ということだと思います。つまり、現在ヒトが用いている作業を含むノウハウはキカイにインストールされた状態で物事が始まるということです。極端に言うと勤勉なヒトの脳みそがインストールされたキカイが登場するということですね。

そんなアホなという方もいるかもしれませんが、既に手近な業界では始まっていることです。例えば、金融の業界はTHEOウェルスナビというサービスは投資判断を人工知能が行うサービスです。これによって投資領域は自動化し、人の手を離れたといっても過言ではありません。

投資のように過去に蓄積された膨大なデータがある業界からこの波がくると考えていいでしょう。ここで考えるべきは、キカイが介在することで虫の目の視点から仕事を減らし始めているということです。

投資の例で言うと、金融工学の中の投資判断を切り取ってキカイが代行しているのです。ただ、投資判断が自動化しても必ず資産が増えるわけではありません。経済は政治の影響を多く受けるものです。その経済学で言う外生的ショックを読み切ることは過去の膨大なデータの蓄積と微量な現在の市況データだけでは不十分です。

そこで必要になるのは虫の目以外の2つの視点です。つまり、物事を俯瞰する鳥の目、流れを把握する魚の目こそ、今後ヒトが改めて持つべき目ということになります。

 

本当に機械に人の仕事が奪われる?

近い将来キカイが虫の目を用いる仕事を代行し始めるのは確実です。その時虫の目の仕事を行っていたヒト達はなす術ないのでしょうか。

僕は競争戦略が働く限り、それだけでは競争に勝てないと考えています。競争戦略に基づくと、何かしらの市場で勝負するにあたって差別化が必要になります。多勢が行っていることに従っているうちは差別化できません。その多くはコスト・リーダーシップを用いた戦略となり、進む退くも「金次第」となってしまいます。その戦略が領域の主となると経済の伸びには限りがあるため、縮小均衡の道を辿ることになります。

ベンチャー企業が当てた事業を大手企業が後追いでやり始めて追い抜いてしまう、ということが昨今よく起きていますが、それも差別化の要素が不足しているが故に投下した金額が物を言う競争になっているということだと思います。この競争に陥った時、ベンチャーが進む方向の一つとして資金調達があります。昨今資金調達のリリースが後を絶たないのはこういう背景だと考えています。

少し話が逸れましたが、縮小均衡を打破するために必要になる視点は、「逆張り」の思考です。キカイによって判断の線引きが均等になってそれがマジョリティになるということはベンチャー企業の例のように競合性が高まるということです。競合性が高まると、価格競争に陥るというのが世の常です。その逆をあえていくことで、小さい投資でも大きく勝てる可能性を見出す、というのが逆張りの思想です。

要は人と同じことやっててもゆくゆくはだめになる可能性が高いよねってことです。

 

逆張り」を知る上での映画『マネー・ショート』

『マネー・ショート』という映画をご覧になったことはあるでしょうか。投資の酸いも甘いもを知るのに良い映画です。舞台はリーマンショック前のアメリカ。サブプライムローンをテーマにストーリーが展開していきます。

サブプライムローン破綻の時、最後に笑ったのは、マジョリティではなくマイノリティです。勝つということは『マネー・ショート』のエンディング然り、誰かが負けることを覚悟することなのです。個人やベンチャーが狙うのはそういう世界であるべきだと思います。

ただその時、得があったとして徳はあるのでしょうか。ベンチャー限界論も昨今叫ばれ始めています。

最近考えていることです。

 

僕のちかくからは以上になります。

 

【書評】2016年下半期読んだ本のまとめ

いきなりのまとめご容赦ください

いきなりまとめ書くのかよと思ってくれた人がいてくれたらうれしいです。

とりあえずやり残しなのでやってしまいます。

以下のブログの2016年下半期版だと思っていただければと。

chikakuni.hatenablog.com

 

2016年読んだ本たち

2016年後期読んだのはこの本達です。

完読だけにしてます。色々手出して途中で終わってる本が結構あるので(反省)そのへんは一旦置いてます。

目の前の課題観に囚われて手法論の本を一定量読んでしまった感があるので、そういう読書は今後控えていきたいです。

 

38.はじめて考える時のように

39.不格好経営

40.99%の会社はいらない

41.フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。

42.CHIKIRIN日記」の育て方

43.大人はもっと遊びなさい 仕事と人生を変えるオフタイムの過ごし方

44.夢の江戸歌舞伎

45.先読み「情報脳」の鍛え方

46. ブログで月500万円稼げるようになるまでの全記録

47.スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義

48.SOUL RESET 魂の再起動

49.ビジネスマンへの歌舞伎案内

50.やりたいことをやれ

51.Life packing 2.01

52.見てる、知ってる、考えてる

53.夢をかなえるゾウ

54.7つの習慣 ティーンズ

55.全ての仕事はクリエイティブディレクションである

56.いちばんやさしいグロースハックの教本

57.君はどこへでも行ける

58.世界一受けたいお金の授業

59.SEOに強いWebライティング 売れる書き方の法則64

60.GRIT やり抜く力

61.電通

62.天才たちの日課

63.プライベートからビジネスまで60分でわかる!図説著作権

64.ラオスに一体何があるというんですか?

65.指名される技術 六本木ホステスから盗んだ稼ぐための仕事術

66.プロフェッショナル・プレゼンテーション

67.クリエイティブ・マインドセット

68.筋トレが最強のソリューションである

69.スクープ!週刊文春エース記者の取材メモ

70.20歳の自分に受けさせたい文章講義

71.寿司修3カ月でミシュランに載った理由

72.生産性

73.論語と算盤と私

74.マチネの終わりに

今回もおすすめ本を簡単に紹介します。 

 

はじめて考える時のように

  •  定期的に読み返す名著です。考えるってなんだ?を哲学する本です。
  • 物事に慣れると型にハマった見方で物事を見てしまいがちですが、様々な角度で物事を見る重要性を考えさせられます。
  • 町中の顔に見えるものを探すコーナーがポンキッキーズに昔ありましたが、考えるってそういうことだと思います。
  • 同じパターンに陥ってる気配を感じたら読んでみてもいいかも?です。

 

電通 

電通

電通

 
  • 自分は電通が出版してる本はかなりの量読んだと思います。 ふと第三者視点で見るとどうなるのかと思い田原総一朗氏の視点を借りました。
  • 時事性も相成り、今読んどかないと一生読まないというタイミングで読めてよかった一冊です。
  • 伝統ある会社には変革のタイミングに一つのパターンがあるということに気づきました。歴史から紐解いていくと今回の事象も説明できるかもしれません。

 

生産性

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

 
  •  前著『採用基準』がかなり刺さった記憶あったので購入しました。こちらも最高でした。
  • 読後の自分の解釈としては生産性が上がるということは、やることに対して今までかかっていた時間を削減する仕組みを作ること。そこに対するアプローチとしてイノベーションを紐解いていく視点が斬新でした。
  • 非技術的イノベーション(ビジネスイノベーション)の繰り返しこそ、組織力

 

マチネの終わりに 

マチネの終わりに

マチネの終わりに

 
  • 年末は小説を読むと決めています。せわしい年末の気を別の世界に入りこむことで紛らわすのです。 平野啓一郎氏が説く「分人」の理論好きでで読むのがとても楽しみでした。
  • もう一重に最高でした。人の視点が物語をどんどん進めていく。進行がドラマチック。タイミングが合えば実写化するんじゃないかな。
  • 「未来は過去を変えてる」という一説が好きでした。時の変遷が過去の姿を変えていく。生きていく上でいつか過去を全てつなげたいと願うのはまだ自分が青いからでしょうか。
  • 読後一曲を聞き終わったような高揚感を僭越ながら多くの人に感じてもらいたいです。

 

今年は100冊!

これ毎年言ってるのですが未達です。今年こそはで1月15冊と奮起しましたが、2月まだ4冊…!3月頑張るぞ!っと。

まあ冊数はもちろんですが、本を読むことで今より少しでもまともな人間になりたいですね。

 

僕のちかくからは以上になります。

 

chikakuni.hatenablog.com 

chikakuni.hatenablog.com

 

2017年のブログ方針

2017年もブログ書きます

書こう書こうと思ってたら、2月になっちゃいました。
約半年ブログをあっちへうろうろ、こっちへうろうろと回してみましたが方向性を固定しようと思い筆をとりました。物事を始めるには定義が必要です。

方針を以下に簡単にまとめると…

  • ポエムブログを目指す
  • くだけた敬語で文字数少なく
  • 「●●まとめ系」の記事はよっぽどじゃない限りは書かない

です。一つずつ書いていきます。


ポエムブログを目指す

この記事を読んで影響されてるのですが、ビジネスブロガーってほど現状儲かってないのでポエムに振り切ろうと思いました。

nyaaat.hatenablog.com

なんというか、過去に書いた記事の1番の読者は自分だと思っていて、ポエムであればあるほどに「ああこいついいこと言ってんな」とか「今だったらこんな風に思わないけどな」という具合に自分の中で過去を資産化していきやすいんですね。

正直書きやすいパターンはまとめ系なんですけど、さくっと書ける分、自分への跳ね返りも少ない。やはり汗かいた分自分に返ってくるという感覚がある訳です。
なので汗水垂らしてポエムを書いていこうと思います。

chikakuni.hatenablog.com

chikakuni.hatenablog.com

自分としてはこの辺が好きなんですね。こういうのを具体性持って書いていくと後々自分にとって資産化していく気がします。

くだけた敬語で文字数少なく

初期はなんか偉そうに書いていたんですけど「ですます」のほうがしっくりくるので敬語中心でいこうと思います。「くだけた」としたのはキレツッコミ等への余白をもたせたいからです。
あとずっと思ってたんですが、このブログ長いんですよ。どの文章本を読んでも「文章の引き算」に注力したほうがいいと書いてあるので、文字数は少なく簡潔に、そして図説と書評を増やして運営していきます。1500~2000文字くらいが目安ですかね。

文章読本 (中公文庫)

文章読本 (中公文庫)

 

 

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

 

 

文章系の本はこの辺りが勉強になりました。「困ったら先人の知恵を」を胸に今年も読書に励みたいですね。

「●●まとめ系」の記事はよっぽどじゃない限りは書かない

これ徹底したいです。前述とも重複しますが、正直この手の記事は書くのがめっちゃ簡単なんですよ。しかも多少は収益がでるというおまけつき。
ただ書くのが簡単ってことは激戦区なんですね。金の臭いに敏感なビジネスブロガーみんなやってる。なので自分としてはこの領域は撤退しようと思いました。ポエム系ブロガーとして。
あと前段の内容と重複しますが、未来の自分への跳ね返りをほぼ感じないんです。なのでお小遣いの額がそれとイコールになるわけですね。そう思うと自分のトラフィックが少ないことが悪いんですけど、なんか小銭に媚びてる感じがするんですよ。これが嫌なんです。既に読んでて胸を張れないものは消しちゃいました。金は別の方法で稼げばいいのです。
ちなみによっぽどとしたのは「1年のまとめ」等区切りのまとめは書きたいからです。年末の暇つぶしにいいかなと。

chikakuni.hatenablog.com

これもいい暇つぶしになったんですよね。漫画以外の2016年読んだ本もざっと書く予定です。


 今年はゆるくすすめます

以上の方針を遵守していきます。

ただ実は直近で身の上も変わったりしていて、その件に関しては長い文章をあげるつもりです。そこは節目なので目を瞑ろうと思います。差っ引いて差っ引いて3000文字くらい…。これを書いては消し、書いては消ししててなかなか新しいエントリーを書けなかったという…。そして2月になりました。


半年回して書き方は段々わかってきたので、収益を狙わないことで今までより更に肩の力を抜いて書いていこうと思います。時には業界人って兵をバッサリ切り落とすみたいなのもやりたいな。

僕のちかくからは以上になります。

 

 

【書評】2016年面白かった漫画たち

2016年読んだ漫画

もう年の瀬ですね…。
2016年の積読書達にケリをつけるために読書にスパートをかけています。

chikakuni.hatenablog.com

下期分もそろそろ準備を始めないとですね。
ただ、読まないと!と思えば思うほど他のことに気がかかるもので、ついつい漫画に手を伸ばしてしまってる自分がいます。
いやー、本当漫画大好き。(矢口真里じゃないよ)

今回は完全に主観で今年読んでよかった漫画をまとめます。
発売年が2016年のものではなく「自分が今年読んで、面白かった」という漫画を並べていきます。
それではいってみましょー。

山賊ダイアリー

山賊ダイアリー(1) (イブニングコミックス)

山賊ダイアリー(1) (イブニングコミックス)

 

完結したと聞き、一気読みしました。
狩猟自体は人間の本能に備わっているものだと思います。
UIの世界だと来たチャットをすぐ返す…その行動も狩猟本能から来ているものだと言われています。
ただ、本当の狩猟を体験したことあるという方は少ないのではないでしょうか。
こういう自分の知らない世界を教えてくれる漫画は好きです。
空気銃で狩猟する、カラスは食べられる、スーパーで買う鴨はアヒル…等々知らないことだらけで好奇心がうずきます。 無人島編も楽しみです。

紺田照の合法レシピ

紺田照の合法レシピ(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

紺田照の合法レシピ(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

 

ある時からご飯にまつわる漫画って増えましたよね…。
どの漫画もご飯が美味しそう!だけど内容はピンきりだなあと思っています。
そんな中、この任侠グルメ漫画は異彩を放っています。
霜降肉組の構成員紺田照。彼が最も心血を注いでいる案件は料理…っていうもう設定がそもそもおかしいんですね。しかも紺田照高校生ですから。
キャラも魅力的だし設定勝ちしてるおかげでギャグもキレてる。
そして意外にも?作る料理はまともで自炊の参考にしています。
 

さよなら私のクラマー

1番最近読んだ漫画。これからの展開が楽しみ。
四月は君の嘘』の原作者新川直司が自身初めての原作である『さよならフットボール』の続編を描く意欲作。
『さよならフットボール』を読んでから読むことをおすすめします。
もう1巻のロベカルシュートの画力がたまらない!堀尾省太の『刻』みたいな刹那を感じます。
あと登場人物がどんどん魅力的になっていきそうな予感がします。
とりあえず『さよならフットボール』から続いての登場の恩田が好きすぎる。もう恩田だけの話でも全然大丈夫。
作者の描く顔が似てるから11人いると見分けがつくか、が今後ちょっと不安。既に恩田と曽志崎顔似てない?(笑)

 

かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~

本当にくっだらない(笑)でもこういう漫画大好物。
いわゆるラブコメなんでしょうけど、両者のくっだらない策略が駆け巡る新しいタイプの漫画。
手近なヤンジャンに移籍してくれてよかった…。
また読むジャンプが増えるところでした。
いい加減週刊少年ジャンプは卒業した方がいいでしょうか…。

 

RIN

RIN 1

RIN 1

 

天才好きですか?僕は好きなんです。
1番好きな映画は『グッド・ウィル・ハンティング』かもしれません。
ある部分に精通した人ってどこかしらが歪になっているというのが、自分の中であってそういう人見るとたまらなく楽しくなるんです。
「天才」とまで呼ばれるようになる人ってもはや歪どころか、真っさらな部分がでてくるんじゃないかと思います。
このRINの主人公石川凛はまさにそれ。圧倒的にモラルが欠落してるんです。
読んでて多少不愉快な描写が幾つもあります。
でも実際こういう人が天才なんだろうな〜と思う。自分は凡才だ〜。 

彼方のアストラ

彼方のアストラ 1 (ジャンプコミックス)

彼方のアストラ 1 (ジャンプコミックス)

 

今年は漫画アプリの少年ジャンプ+が面白かった気がします。
『ファイアパンチ』 ・『終末のハーレム』等話題作が次々に登場しました。
ジャンプで育った僕はついつい毎日チェックしちゃいますね。
その2作に比べると話題になっていないように思えますが、『スケットダンス』の篠原建太が描く宇宙を舞台としたファンタジー。
最初はスケットダンスみたいなギャグマンガを期待していたので少し期待はずれかなと思っていたのですが、ストーリーが展開してきて面白くなってきました。
推理要素もあり、今後も目が離せません。

 

MIX

MIX 10 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

MIX 10 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

 

あだち充の野球漫画が好きです。
昨今スポーツを如何にマニアックに見るか、というか手法論の描写が目立つ漫画が増えてきているように思えます。
同じ野球漫画でいうと『ダイヤのA』はまさにマニアックに見るための「技」を繰り出していくというところに焦点が当てられているように思います。(熱くてめっちゃ好きだけどね)
その点あだち充の描く野球はシンプルです。
豪腕と強打者の対決、もしくは豪腕と豪腕の対決。以上。
それより野球を題材にして描かれているのは人間模様なのです。
その繊細な人間の心模様を空白で描いていく、あだち充はそんな漫画家さんな気がしています。

BLUE GIANT

BLUE GIANT 1 (ビッグコミックススペシャル)

BLUE GIANT 1 (ビッグコミックススペシャル)

 

とにかく熱い!ジャズ漫画です。1巻買ってハマって大人買いしました。
ただひたすらにジャズに打ち込む主人公。
ここまで「練習量」を感じる漫画も珍しいなあと思います。
音楽漫画って結構ご都合主義というか、「元々の才能が開花した」とか「いつの間にか上手くなっていた」みたいなパターンが結構多い気がしますが、もう主人公の大は血みどろになるまでサックス吹いてるんですよ。
その姿と上達していくプレーと彼の人柄が人を巻き込んでいく波をどんどん高くしていく…。音楽って感じだ!
よく大がいう「ジャズってる」というフィーリングを表す言葉が印象的です。
音楽が非言語的なものだということを教えてくれます。
個人的には仕事でこういう「ハマった」感覚に再び陥りたいものです。

 

来年も良い漫画に出会いたい

以上です。昔漫画『スラムダンク』を何度も何度も読み返した記憶があります。実家のスラムダンクは手垢で茶色くて汚らしいです。
そこまで本気で読み返す時間は今は作れていないですが、何度も読む漫画と一回きりの消費で済む漫画が自分の中で分かれています。
時代も変わり、電子書籍での漫画を読むという体験を通して漫画が手垢にまみれることはなくなりつつありますが、来年も空き時間を見つけて漫画に触れていきたいですね。

僕のちかくからは以上になります。

 

chikakuni.hatenablog.com

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【GoogleAnalytics】ユーザーエクスプローラーだけじゃちょっと物足りない

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再びGoogle Analyticsについて

今回もGoogle Analytics(Universal Analytics)についての記事をあげていこうと思います。

前回はGoogle Data Studioという文脈でアクセス解析について自分なりの考えを記しましたが、今回は少しミクロな視点で書いてみようと思います。

chikakuni.hatenablog.com

Googleはどのプロダクトもアップデートが早く、適応していくのが大変です。
今回は2016年の春に実装された"ユーザーエクスプローラー"について考えていこうと思います。
個人的にこの機能の実装は待ってましたと言わんばかりだったのですが、結論から言うと、現状だとまだ物足りずより自由度高く同じデータを見るために設定の変更を推奨しています。

 

ユーザーエクスプローラーの活用

ユーザーエクスプローラーとは、という部分の解説はferretさんの記事がわかりやすかったでので参考として載せておきます。

ga.ferret-plus.com

要するに、サイト来訪したユーザーのブラウザ単位での動きを可視化していますよということです。

アクセス解析だけではなく分析の多くは、大局を理解するために行われます。
これをマクロ分析と言ったりします。

前回のGoogle Data Studioを用いた分析環境の構築はまさしくそうで、全体感を把握することには向いていますが、ユーザー1人1人まで目を向けることには適していません。

Webサイトは、成熟してくると計測している数値が頭打ちするタイミングを迎えます。
その時に、大局だけの分析結果を見ていると運営者としては「そんなのわかってるよ」と思うような示唆しか導けなくなることがあります。
その際に壁を破る次なる施策が必要になるのですが、その際に必要になってくるのがミクロな視点です。

このユーザーエクスプローラーは、ユーザー1人単位の動きが見えるものなのでミクロの観点で分析を進めるにあたって、有用なデータを取得することができます。

 

アクセス解析におけるミクロ分析の進め方

アクセス解析でミクロな視点で分析をかける上で、僕は以下のフローで進めています。

  1. 想定とは異なるサイト利用の仕方をしているユーザーはいないか
  2. いる場合、その理由は何かを解明するためにサンプルとなるデータを抽出する
  3. このユーザーに対してどのような提示をすれば想定内の動きをしてもらえるかを考える

実際に見てみると面白いもので、ユーザーのサイト回遊の順番がわかって記事間の関連性があるのかということに気づけたり、以下のキャプチャのように得体の知れないサイトからの動きが明確化したります。

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正体はスパムでした。
よく見るとGが小文字ですね。

gigazine.net

計測値としてカウントしないように指示をかけましましょう。
このように、機械と分かれば処理は簡単ですが、マーケティングの対象は人間なので幾度となく施策を試行してくことが必要になります。
そこに答えはなく、プランを立て検証を進めていくしかありません。

 

ユーザーエクスプローラーの弱点

ユーザーエクスプローラーの弱点を挙げると、データ抽出の機能が弱いことが挙げられます。

・クライアントID個別でしか詳細なデータが確認できない
・データ抽出時にディメンションが掛け合わせられない(セカンダリディメンションが使えない)
・データ抽出についてGoogle Data Studio等他ツールとの連動性が低い

ざっと状況を把握する場合は、UIのみでデータを確認しますが、本格的に分析を進める際はどうしてもハンドリングしやすいデータの抽出が必要になります。
その面で現状の機能では不便を感じることが多いです。
ミクロ分析と言っても、一人ひとり追いかけるのは大変なので目立ったユーザーをマーキングできると便利ですよね。
そういった処理をかけるのにデータ抽出に可変性があるということは必須だと思います。 

 

弱点克服への推奨設定

個人的にGoogle AnalyticsGoogle Tag Managerで設定することが望ましいと考えています。

今回は以下のリンク先の設定を実施することでカスタムディメンションとしてクライアントIDを取得し、ユーザーエクスプローラーと同様の環境をGoogle Analyticsに実装していきます。

sem-technology.info

この方法を実施することで、通常のGoogle AnalyticsのUI上でできることはほぼ網羅できるようになります。
前述のセカンダリディメンションはもちろん、カスタムレポート、マイレポート、スプレッドシートGoogle Data Studioへの連携が可能になり抽出面の不具合を改善することができます。

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上図は、セカンダリディメンションでデフォルトチャネルグループをかけてみました。
ユーザーの性質を見極める上で重要な、ユーザー別に閲覧しているページタイトル等もも問題なく取得することが出来ます。
(さすがにユーザーの分布やインタレストカテゴリはカラムが増えてしまうので無理でした)

データ抽出面が改善すると分析の幅が広がります。
来訪ページ別のクラスター分析やアソシエーション分析をかけていくことで、異なる動きを縮約することもでき、フォーカスする施策も決めやすくなります。
この辺については今進めている内容があるため、いつか書いていきたいと思います。

 

まとめ

今回の内容をまとめると、

・ミクロ分析を行うにあたってにユーザーエクスプローラーのデータは有用

・データ抽出に脆弱性があるので、GTMと連動させた設定変更を推奨

といったところでしょうか。
Google Analyticsは、機能のアップデートによってどんどん利便性が上がっていますが、自分が必要な環境を必ずしも揃えてくれるとは限りません。
ちょっとした工夫で不具合を改善する心構えをマーケターも持って臨みたいものです。

僕のちかくからは以上になります。

 
<関連記事>

chikakuni.hatenablog.com

 
<GoogleAnalyticsで困ったら読む本>

できる逆引き Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ240 ユニバーサルアナリティクス&Googleタグマネージャ対応
 

 

 

Google Data Studioの活用法について

Google Data Studioを使ってみた

Googleデータスタジオを活用し、このブログのデータトラッキング環境を作ってみました。
Googleデータスタジオとは…という話はKAGUAさんの記事がわかりやすかったのでここでは割愛します。

www.kagua.biz

要するにGoogle製品周辺のデータビジュアライズをBIツールやらGoogle Apps Script(以下GAS)を使わずにできますよというものだと解釈しています。
製品によって代替となる手法はいくつかありますが、GAの場合は現段階だとGoogleデータスタジオを用いるのが1番作業として軽い方法な気がしています。

機能的には正直まだイマイチな点もあるのですが、僕のようなデータの専門家ではない人が現状の把握をするのにはもってこいです。

 

データ分析の段階について

僕は、データ分析を以下のように、段階に沿って進めています。

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(参考:企業情報システムにExcelを生かす - 第4回:仮説立案から対策まで5段階でデータ分析:ITpro)

ざっくりと以下の解釈になります。
・仮説構築:施策や世の中の流れから現状のアタリをつける
・動向分析:仮説を立てて、現状の動向見てみる。
・要因分析:動向の要因を捉えるためにデータを深ぼっていく。
・検証分析:掘り出した要因が見当違いではないか検証する。
・対策立案:検証内容から対策を立てる(それが次回の仮説になる)

ここで言うところの[動向分析]にGoogleデータスタジオを用いたGAの分析環境は活用できると考えています。

要因分析以降は、スプレッドシート環境が手頃ではないかなと思います。
(参考:Googleスプレッドシートの公式Googleアナリティクスプラグインを活用して楽にデータ取得&レポート更新!(レポート運用&活用編)

 

アクセス解析に当てはめると

少し話が逸れましたが、GAを用いた動向分析についてもう少し書いていこうと思います。
GAを用いて行うのは、アクセス解析のデータ取得ですが、ただ漠然と数値を眺めていても動向の把握はできません。
個人的には、以下のように分割して考えています。

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Googleとして提唱している集客(Acquisition)・行動(Behavior)・コンバージョン(Conversions)の流れでデータを見ていく、所謂ABC分析(顧客ランク分析に非ず)と呼ばれている手法です。

解釈としては、
・サイト流入(集客):どこから人がサイトに入ってきているか
・サイト内行動(行動):サイトに入ってきた人がどのように行動しているか
・CV(コンバージョン):成約した人はどのような人か
・(成約後、顧客化しているか)
だと個人的には捉えています。

ここで注意しなければならないのは成約(コンバージョン)した人ばかり注視してしまい、大局観を見失うことです。
成約する人、というのはGA上で取れるデータの中で最も母数が少なく、傾向となる母数となっていないことがほとんどです。

サイトへの呼び水の指標となる集客、流入後の接客の指標となる行動から順々にデータを見ていくことが重要であり、これがアクセス解析で言うところの動向分析だと僕は考えています。

僕のブログはアフィリエイトリンクを貼っているものの、大して売上が出ていないのでまだコンバージョンに関してはトラッキングする優先度は低いと考えています。
そもそも、もっとPVがないと収益化には向かいませんからね。
なので優先度を上げてトラッキングしていくのは集客・行動の2軸になります。

このように、マーケティングのフェーズによってトラッキングする軸や指標は異なります。
運営するサイトの状況から、観測する指標を決めていきましょう。
分析する要素が多くても毎回見きれませんからね。
 

実際にGoogle Data Studioを活用してみた

動向分析のビジュアライズに用いるのは主に対比・推移・含有です。
それぞれを棒グラフ・線グラフ・円グラフと捉えるとわかりやすいかもしれません。

Googleデータスタジオを利用して作ってみましたので、例として説明していこうと思います。
ゆくゆく共有環境がGAのマイレポート機能のようにアップデートできるようになったらそちらにアップしてみようと思います。

ここでは集客・行動の各データをビジュアライズしたものをサンプルとしてみていきましょう。


<集客>

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流入の割合と推移で可視化できるようにしました。
省略しましたがGAと同様に、任意の日付でデータを見ることができます。

個人的にフィルタ機能に関しては、GoogleデータスタジオのほうがGAを直接見るより優れていると思っています。

もしサイトとしてSEOを重視するのであれば、GASを利用してサーチコンソールのデータをスプレッドシートへ反映できる環境を作ってみてもいいかもしれないですね。

qiita.com

<行動>

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線グラフと棒グラフは上位5記事の動向が分かるように抽出してみました。
散布図はマウスオンするとページタイトルが分かるようになっています。
トップページ等はデフォルトでフィルタをかけて抽出したほうがいいと思います。

検索からの流入が見込めると、安定してトラフィックが取れることがわかります。
ただ散布図右最上段の点が『やってのける〜』の記事なので、情報取得後、離脱してる人が大半であることがわかります。
これがサイトとしてフォーカスしたいコンテンツであれば関連記事を増やすことなどがPVを伸ばすための対策と言えるのではないでしょうか。

 

施策の精度を上げるために

ここで、前述の分析の段階から検証分析について少し触れると、「現状の指標を鵜呑みにして考察してはいけませんよ」というのが、今回でいう検証の要素だと僕は考えています。

例えば、行動の考察への返す刀で言うと、検索流入しても記事がつまらなくて、一瞬で離脱してる可能性も考えられます。
施策として重要度が高く突き詰めていくのであれば、以下のような環境で読了の指標を取得してみて検証をしてみていいと思います。

web-kaizen.co.jp

このように分析の段階を進める中で、サイト運営をより良いものにしていく、というのがアクセス解析をする目的となります。
サイトの段階によって見るべき指標が異なって当然ですよね。

 

さいごに

Googleデータスタジオはまだベータ版のため、これからできることは増えていくと思います。(有償版にすべて機能が持ってかれるかもしれませんが…。)
引き続き触っていき、必要な指標を取得できる環境を構築していこうと思います。

 

僕のちかくからは以上になります。

 
<関連記事> 

chikakuni.hatenablog.com

 

 

 

 

 

【雑記】ブランドと約束

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ブランドを買う理由は約束を信じるからだと思います。


例えば、レッドブルであれば「翼を授ける」。エナジードリンクを飲むことで眠っていた力の覚醒、とまではいかなくとも現状より活力漲る状態になるために購入するはずです。
ニューバランスであればラルフ・ローレンの「雲の上を歩いているようだ」という形容も然り、クリントンの大統領選での着用などの逸話から、「外れないスタンダード」ということを理由に財布から大枚叩くわけです。

これらはメーカーがマーケティングを通して人々にしてきた約束です。
その約束が魅力的に写り、人々の購買意識を働きやすくさせているのです。

レッドブルは巨額の富をプロモーションに捧げています。
「翼を授ける」というキーワードが浸透しているということは、相当量の露出が影響していることがわかります。
プロモーションというとTVCMがついつい浮かんでしまいますが、TVCMはブランドが果たす約束を大衆に公言しているだけにすぎません。
レッドブルの場合、着目すべきは各種イベントへの協賛です。

www.redbull.com


アスリートの支援はもちろん、ちょっとお馬鹿な企画にも協賛をすることでインスピレーションという翼を人々に授けるというポジショニングをとることに余念がありません。
そして、この体験を通して人々がレッドブルというブランドを認知し、愛するという仕組みが徐々に形成されていきます。
ローマは1日にしてならずということですね。

供給過多と言われる現代、ブランドが人々にどんな約束をすることができるのか、ということが最近気になっています。
これは裏を返すと需要がない、ということです。
口を開けていれば発信された供給が情報に形を変えてどんどん入ってきます。
その中でどのような体験を通せば、人の心に浸透するのでしょうか。

人と同じことをやっていてもだめです。
これこそ、現代のマーケターの命題だと思います。

僕のちかくからは以上になります。

ブランド・マインドセット

ブランド・マインドセット

 

 

 



思考に自由度を持ちたい

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思考の自由度について

年々思考の自由度が下がってきてる気がします。

経験を積み、解釈できる範囲が広がってくると色眼鏡をかけるようになります。

その眼鏡をかけて物事を捉え始めると徐々に視野が狭くなり、思考が自分の枠に収まってしまうということが増えたように思えます。

いわゆるパラダイム、もしくは老化というやつです。

このパラダイムに縛られた中で思考の自由度を如何に高めるか、ということが発想力に満ちた人と乏しい人の差だと思っています。

組織の効率化について

一方、経験をベースに物事を効率化した方が時間的余裕が得られるのも事実です。

経験を糧としないといつまでも同じ作業に同一の時間をかけかねません。

観点となるのはあるべき姿に対しての余地だと思います。

あるべき姿への余地が大きければ大きいほど、新たな発見が必要になり時間を要す必要があります。

ここに時間を割かずに効率化へ向かってしまうと、結果的に小さくまとまってしまい、結果としてあるべき姿からはかけ離れてしまいます。

 時間が1つの業務効率の指標となるため、小さくまとまってしまっているケースというのは組織になると多いと思います。

作業量に紐づく時間が負荷と捉えられ、拡散と収束を繰り返していく過程で、それが個人の経験として集積されていきます。
こうして徐々に凝り固まった経験がパラダイムとして個人の思考に影響を与えていくというわけです。

あらためて思考の自由度について

そうなると個人は前段に記載した「思考の自由度が下がってないか?」という疑問がもやもやと湧いてきます。

この疑問が湧く人、湧かない人でまた分岐がある気がします。

もっというと、疑問が湧く人の大半はそれを見ないふりをしているとも思います。

見ないふりをしていると、一層思考の自由度が下がってしまうのです。

色眼鏡を外して外の視点に触れること

今回の主張としては、今いる場所の現状だけを見るわけではなく、外の違う視点を取り入れましょうねということです。

脳は事象と事象をまず点で捉え、刺激を受けることで事象と事象を線で捉えることができるようになります。

これが理解すること、とここでは定義します。

点と点がつながった線は一本ではなく幾重にも広がる点に対して、何本も枝葉のように伸びていき、今度は線同士でも接触を続けます。

刺激を受けた回数が多いほど、理解できる幅が広がるということなります。

これを僕は思考の自由度が上がるということだと考えています。

まとめると 

同じ場所に留まるということは、同じような刺激を受け続けるということです。

そうすると同じ点と点が刺激を受けるため、思考は強固になりますが、広がりを生みだしません。

その場所が脆弱性を迎えた時にどうするかということを考えておかないと共倒れになる可能性が高いです。

歴史から見ても、国から始まった集団、組織は滅びるのが原理原則です。

行動が伴えば、自分の思考が顕在化した「場」となっているはずなのである種心地よいと錯覚するかもしれませんが、それは一瞬にすぎないかもしれません。

そういった意味合いでも、外の視点を取り入れる機会を作るという重要性を捉え、行動すべきだと思う今日この頃です。

そうすることで個人の色眼鏡に何色もの光が灯り、新しい扉が開けるようになればいいなと思う次第です。

 

僕のちかくからは以上になります。

【雑記】人は動いてるからこそフィードバックが必要

[Situation Behavior Impact]のフレームが使えそう

「人を動かす」も大事だけど、大抵の場合「人は動いてる」だと思う。
0から何かを創っていくのが自分は1番ワクワクするんだけど、最近現在進行系の組織に介在することが増えて、なんとかこの「動いてる状況」に対する手立てがほしく色々考えていところ、先達にいいことを聞いたのでそのメモを。


今回学んだのは、[Situation Behavior Impact(SBI )]というフィードバックのフレーム。

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フィードバックをするために以下のフローで実行者と会話を通してフィードバックを行っていく。
・Situation :時や出来事に対して当事者(実行者)・評価者間で共通認識を持つ
・Behavior:その時、当事者がどのような意図で行動を取ったかを当事者から聞く
・Impact:その行動に対して当事者や他者がどのように思ったか、どのような結果に結びついたかを当事者から聞く
(参考:The Situation-Behavior-Impact-Feedback Tool - From MindTools.com)
ここまで会話できれば、当事者がどのような意図で行動を取ったか理解した上で現状に対して評価することができる。フレーム進行後は評価に応じて次の行動を促す、もしくはフォローする内容を決めて定点観測していけばいい。

動いている組織に対して第三者として行うべきことは、フィードバックに基づいた行動の設計(もしくはマネジメント)だと思う。実行者を評価し改善することが必要になり、その時実行者と会話が不可欠になる。

その会話という柔らかい部分が属人化したり、その時々で接し方が変わってしまうと個人や組織として資産化していかない。
システム化していないところにテトリスのブロックは積み上がらないのだ。


自分の場合、会話を含むビジネス上のコミュニケーションが苦手ではなくなってきた時期からしゃべりで「えいやっ」と持っていってしまうことが多くなっていたような気がする。
なので、このSBIのフレームについてお話を伺った時、コミュニケーションを型にはめた経験を資産として自己管理するのはありだなと思った。

デキる人ほど型を持っている。型がなければ型破りはない。型にはめてみようともしないで当てはまりが悪いと文句を言ってはならない。
話のプロを落語家とすると、どんなに才能がある落語家でも前座時代は古典をかけつづける。たとえ名だたる噺家だって型にはまる期間は修行として必要だったのだ。
しばらくはこのフレームで修行してみようと思う。

僕のちかくからは以上になります。

 

ザ・コーチ

ザ・コーチ